今年の相場の動きは信じられないほど異常だ。一方では銀が約140%急騰し、金も70%上昇して二重の高値をつけているが、もう一方ではビットコインが6%下落し、イーサリアムは12%下落している。このような分化は、過去数年間で見たことがない。

年初にはビットコインは「デジタルゴールド」と語られていたが、今や現実に打ちのめされている。市場のリスク志向が低下すると、投資家は暗号資産を手放し、実物の金属を買う。金と銀の避難通貨としての輝きは不確実性の中で光り輝き、暗号通貨は逆に冷遇されている。

資金がどこに流れるかで心の向きも決まる。この波の相場の論理は非常に明快だ——不確実な時代、投資家は確実性を必死に探している。貴金属が第一選択となり、暗号市場はリスク資産の付属品に成り下がった。

**金の暴騰の真の推進力は何か？**

表面上は投機的な炒作だが、実際には深層の論理がある。米ドル信用体系の継続的な弱体化が根本的な推進力だ。各国の中央銀行は次々と金を増持しており、その動きが示す信号は明白だ——国際通貨システムへの不信感が拡大している。

さらに、米連邦準備制度は今年すでに3回連続で利下げを行い、金を持つことの機会コストが大きく低下している。利下げサイクルは本来金価格を押し下げるはずだったが、逆に金の急騰を後押しする結果となった。この反差自体が、市場の将来への不安を物語っている。

暗号通貨が金に勝てないもう一つの理由も非常に痛い——本当のリスクが訪れると、機関投資家は何千年も沈殿してきた貴金属をより信頼し、十数年の歴史を持つブロックチェーン資産を信じないのだ。