## ThrowbackとPullbackによる価格調整 ─ プロのチャート分析者が実践するトレーディング戦略

初心者トレーダーは、主要なトレンドからの価格の反発動きに戸惑うことが多いです。問題は、これが**ThrowbackおよびPullback**(一時的な反発)なのか、Reversal(本格的な反転)なのかを見極められないことです。誤った解釈は損失や利益逃しにつながります。

## ThrowbackとPullbackとは何か ─ 基本的な違い

**Pullback**は下降トレンド中に起こり、一時的に価格が反発して上昇しますが、以前の抵抗線を突破できずに再び下落し、新たな安値(Lower Low)をつくる動きです。

**Throwback**は上昇トレンド中に起こり、一時的に価格が下落しますが、以前の支持線を突破できずに再び上昇し、新たな高値(Higher High)をつくる動きです。

PullbackとThrowbackの発生原因は、市場の人間心理に関係しています。価格が一方向に動き続けると、早期にポジションを持ったトレーダーは利益確定を始めます。これが価格の調整を引き起こします。ただし、これは一部の利益確定によるものであり、トレンドの反転ではありません。価格が十分に調整されると、新たな買い手が入り、価格は元のトレンドに戻ります。

## なぜPullbackとThrowbackはトレーダーのお気に入りのエントリーポイントなのか

Follow Buy(追随買い)の戦略は、価格が高いときに買うことになりやすく、リスクが高まります。一方、ThrowbackやPullbackを待つことで、より良い価格でエントリーでき、損切りポイントも明確になります(前の高値/安値を割った)、リスクリワード比も格段に良くなります。

## Pullback/ThrowbackとReversalの違い ─ 明確に見分ける必要性

トレーダーがPullbackやThrowback戦略で失敗する主な理由は、Reversalパターンと混同してしまうことです。

**最も重要な違い：支持線/抵抗線のテスト**
- **Pullback/Throwback**：価格は調整するが、支持線や抵抗線を割らない
- **Reversal**：支持線や抵抗線を破壊し、トレンドが反転する（特に長期間築かれた強いラインの場合）

**二つ目の指標：取引量(Volume)**
- **Pullback/Throwback**：取引量は低めで一時的な調整
- **Reversal**：取引量は高く、反転の本気度を示す

**三つ目の指標：テストの回数**
- **Pullback/Throwback**：一度のテストで終わる
- **Reversal**：何度もラインを試し、取引量も増加

## 実践的なPullbackとThrowbackの4つの戦略

### 1. ブレイクアウトポイントでのトレード ─ 最も基本的で明確な方法

価格が支持線や抵抗線を突破したとき、トレンドが明確になります。その後、PullbackやThrowbackが起こり、以前のラインをテストします。

**方法：**
- ブレイクアウトを待つ
- すぐにエントリーせず、価格がラインに戻ってきてテストするのを待つ(Pullback/Throwback)
- テスト時にエントリー
- 最初のブレイクポイントのローソク足の安値で損切り
- 価格が弱含みや反転の兆しを見せたら決済

### 2. ステップ・バイ・ステップ戦略 ─ 明確なトレンドに適用

強いトレンドでは、価格は一直線に動かず、階段状に上昇または下降します。Throwbackでは、前の安値(Higher Low)を割らず、Pullbackでは前の高値(Lower High)を超えません。

**方法：**
- メイントレンドを特定
- 上昇トレンドの場合：前の安値を支持線として、Throwbackでテスト
- 下降トレンドの場合：前の高値を抵抗線として、Pullbackでテスト
- これらのラインを割ったら損切り

### 3. トレンドライン(Trendline)と移動平均線（MA）の活用 ─ 古典的なツール

高値・安値を結ぶトレンドラインを引くか、移動平均線（例：50や200）をトレンドの代理として使います。上昇トレンドでは支持線、下降トレンドでは抵抗線として機能します。

**方法：**
- 明確なトレンドラインやMAを引く
- PullbackやThrowbackがラインやMAにテストに来るのを待つ
- 価格がラインやMAから反発したときにエントリー
- ラインやMAを割ったら損切り

( 4. フィボナッチ・リトレースメント ─ 調整のターゲットを設定

強いトレンドでは、PullbackやThrowbackは23.6%、38.2%、50%の範囲内に収まることが多いです。

**方法：**
- フィボナッチを上昇トレンドの始点から最高値まで引く)上昇トレンド###、または最高値から最安値まで引く(下降トレンド)
- 上昇トレンドの場合：23.6%、38.2%、50%はThrowbackのサポートライン
- 下降トレンドの場合：同じレベルはPullbackのレジスタンスライン
- これらのレベルで複数のポジションを分散し、リスク管理を徹底

## 重要：Pullback/Throwbackと本物のReversalの見分け方

トレーダーの責任は次の点を観察することです：
1. **価格は支持線や抵抗線を突破したか** ─ 突破したらReversalと判断
2. **取引量は増加したか** ─ 増加していればReversalの可能性
3. **前のトレンドの勢いは強いか、または弱まり始めているか**

## まとめ

**PullbackとThrowback**は、主要トレンド内での一時的な価格の反発にすぎず、本格的な反転ではありません。これを正しく理解すれば、リスクリワードの良いエントリーポイントとなります。複数のテクニック（ブレイクアウト、トレンドライン、フィボナッチ、取引量の観察）を組み合わせることで、精度を高め、誤った解釈を減らすことが可能です。