今回のインド規制当局の対応は、まさに本気だと言える。419億ルピーの資産を差し押さえ、29人を逮捕し、さらに申告されていなかった88億の収入まで掘り起こした――この数字を見れば分かる通り、ちょっとした警告ではなく、本格的な清算だ。

しかし、冷静に考えてみると、影響を受けるのはインド国内だけではない。世界的に規制の流れが変化しており、米国SECは圧力をかけ続け、欧州ではMiCA法案が施行され、各国が暗号資産への規制を強化している。インドの今回の行動は、むしろ業界全体への警鐘だ――「野蛮な成長」の時代は、終わりに近づいている。

市場がパニックになるのは当然だ。誰しも自分の資産に問題が起きるのを恐れている。しかし、別の視点から見れば、規制の刃が向けられているのは、実は怪しい無登録プラットフォームや、空虚なプロジェクト、資金洗浄の温床だ。本当に技術力があり、コンプライアンスを守って運営しているプロジェクトこそ、この再編の波で頭角を現すだろう。粗悪なコインが淘汰されてこそ、優良コインの価値が際立つ。

一般投資家が今すべきことは何か？

第一に、自分が使っている取引所をチェックしよう。正式なライセンスを持っているか？資産のカストディ体制は透明か？これらの基本情報すら分からないなら、早めに資産を移した方がいい。

第二に、自分の保有銘柄を見直そう。コミュニティの煽りだけで、実用性がない草コインは、そろそろ整理を検討すべきだ。技術力・チーム・コンプライアンス――この3つはどれも欠かせない。流行に流されて盲目的に飛びつくのはやめよう。さもないと、次に摘発されるのは自分の「未申告収益」かもしれない。

正直、この嵐は終わりではなく、転換点だ。市場は浄化され、業界は成熟し、「一攫千金」を狙うだけの人は淘汰される。逆に、深く調べて合理的に資産配分できる投資家は、この混乱の中で本当のチャンスを見つけられる。BTCやETHのような主要資産は、規制が厳しくなるほど資金の避難先になる可能性が高い。

仮想通貨市場はまるで戦場だ。刀が飛び交った後、生き残るのが本当のプレイヤーだ。今回のインドの事件は、災害というより、業界が混沌から秩序へ向かうための産みの苦しみと言える。あなたは準備ができているだろうか？