午前2時、パソコンを閉じたばかりなのに、スマホが突然激しく震え出した——グループチャットのメッセージは99+、K線チャートは真っ赤に染まっていた。

8.7万ドルのこの関門、あっさりと突破された。

ある大手暗号資産は8.85万ドルから下落を始め、20分以内に8.7万、8.6万の2つのサポートを連続で割り、最安で8.58万まで下がった。もう一つの主流資産は900ドルでようやく安定したかと思えば、一瞬で839ドルまで押し下げられた。時価総額2位のあれはさらに激しく、3600ドルから一気に15%以上も暴落。他の人気資産も軒並み下落、契約取引ではロスカット警報が鳴り止まない——わずか5分で20億ドルが蒸発した。

グループチャットは大騒ぎ。

「ブル相場は終わったのか」
「損切りした方がいい？」
プラットフォームが何か仕掛けているのではと疑う人までいた。

私はオンチェーンデータを開き、30分間見つめ続けた。ノートパソコンに一言書き記した——これは暴落じゃない、誰かが買い集めている。

まるで市場の閉店間際の一掃セールのようだ——まずは迷っている客を追い払い、その後、安値で良い品を買い漁る。

個人投資家が慌ててポジションを閉じている間に、オンチェーンではすでに本当の狙いが露わになっていた。ある大手資産が8.6万ドルを割った瞬間、私は異常な現象に気付いた——

いわゆる「クジラの移動」は、決して逃げているわけではなかった。それはポジションの入れ替えだった。

あなたが思っているパニック売りは、実は誰かが精巧に仕組んだ収穫の瞬間かもしれない。この手法は何度も見てきた——パニックを作り出し、その渦中で買い集める。価格が下がり、個人投資家が損切りで退場し、その玉は主力の懐にすんなりと流れ込む。

5年間チャートを見続けてきたが、こんな「精密な収穫」には今でも思わず息を呑む。

滝のような下落がすごいからではなく、この収穫ロジックがあまりに洗練されているからだ。皆がK線だけを見ている間に、本当の戦場はオンチェーンにある。送金履歴やアドレスの変化、資金の流れこそが、このゲームの暗号を解くカギなのだ。

8.7万ドルの壁は崩れた。しかしもっと恐ろしいのは、データの裏に隠されたその収穫のロジックだ。