最近の金相場はなかなか面白いですね——チャート上では迷いが見えるけど、ファンダメンタルズは実はかなり安定しています。強気派と弱気派が高値圏で綱引きをしていて、どちらも先に譲ろうとしません。

ローソク足の形からも分かる通り、上下ヒゲが特に長く、価格は5日線と10日線の周りを何度も行き来しています。これは何を意味しているのでしょうか？資金が迷っていて、みんなデイトレードの短期売買をしている状態で、誰もポジションを大きく張って方向を賭けようとしていません。でも、短期移動平均線は依然として上向きで、テクニカル的には本格的な崩れは見られません。このような状況は、トレンド転換のサインというより、高値圏で利益確定が消化されている状態に近いです。

本当に面白いのはファンダメンタルズです。今、市場はFRBが12月に25ベーシスポイントの利下げをする確率を89%と見ています。これは11月初めの63%よりだいぶ高い数字です。なぜこんなに確信があるのでしょうか？それは米国経済指標があまり良くないから——9月の失業率は4.4%に上昇、消費のデータも予想を下回り、製造業PMIもずっと景気分岐点の下を這っています。

さらに重要なのは、FRB側がハト派的な発言をし始めていることです。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁などが次々と利下げのシグナルを出しており、トランプ氏も次期FRB議長にハト派の人物を指名するつもりです。この一連の流れで、市場の金融緩和期待は一気に高まりました。金は無利息資産なので、こうした環境では当然有利になります。

だから短期的にはもみ合っているように見えても、中長期の上昇ロジックは実はかなりしっかりしています。テクニカルでエネルギーを貯めつつ、ファンダメンタルズが下支えしているので、あとはどの材料がこの均衡を破るかに注目ですね。