個人投資家たちはいつも「大口投資家が自分の少しのコインを狙っている」と思いがちだが、実際はそんなことはない。

暗号資産市場に長年いる中で一番よく聞く愚痴が、「また下がった、絶対あの大口が自分を狙ってるんだ」というものだ。目を覚ませ。君のその程度の保有量なんて、向こうは全く気にしていない。仕手筋が売り抜ける時に重視するのは、その後どこまで上げられるか、どれだけスムーズに売り抜けられるかだけだ。

以前、あるコインの全過程を実際に見たことがある。仮にそれをMコインと呼ぼう。最初は1.2Uからスタートし、流通枚数は1,000万枚。個人投資家が6割の資金を握っていた。あるチームが底値で400万枚を集めたが、すぐには動かなかった——彼らはよく分かっていた。もし無理やり1.5Uまで上げたら、初期の個人投資家が一斉に売り出し、結局誰も受け皿にならず、相場が途中で崩壊してしまうことを。

彼らのやり方は三段階に分かれていた。

第一の手：静かにジリジリと下げる。価格は1.2Uから0.9Uまでじわじわ下がり、出来高もニュースもなし。個人投資家のグループでは、「これもう終わりじゃないの？」と騒ぎ始めていた。