「テクノロジーは両刃の剣だ」という言葉に、最近新たな注釈が加わった——詐欺師がAIディープフェイクでお金をだまし取る一方、被害者もAIで自力救済できる時代だ。

アメリカのベイエリアで、最近とんでもない事件が発覚した。ある女性がSNSで「恋人」と知り合い、相手は自分を暗号資産投資の達人として演出。数ヶ月間親密にやり取りした後、「内部投資プラットフォーム」と称するものを勧めてきた。偽造の利益スクリーンショットが次々と送られてきて、女性は心を動かされた。最初は1.5万ドルでお試し、続いて49万ドルの退職金を引き出し、最後には家を担保に30万ドルも用意した。お金は分割してマレーシアの口座に送金され、その後プラットフォームは雲隠れ——出金したい？まず手数料を払え。アカウント異常？凍結解除のためにさらに追加入金しろ。まさに典型的な「豚を太らせてから屠殺する」詐欺で、合計約100万ドルが巻き上げられた。

転機が訪れる。女性は騙されたものの、まだ完全には諦めていなかった。彼女は「恋人」との全チャット履歴やプラットフォームのスクリーンショットをまとめてChatGPTに送り、「これは信頼できる話か？」と尋ねた。

AIの返答は核心を突いていた：典型的な「恋愛＋暗号資産投資」詐欺コンボ。詐欺師はまず感情的な依存関係を築き、次に暗号資産の匿名性と越境特性を利用して資金を移し、最後に偽のプラットフォームで利益を装う。ChatGPTは手口を分解しただけでなく、いくつかの重要な疑わしい点もリストアップ——プラットフォームのドメイン登録期間が短い、カスタマーサポートの応対がテンプレート的、出金ルールが次々と変わる等。

このケースの皮肉な点は、詐欺師もAIで話術を生成していたかもしれないが、被害者もAIで詐欺を見破ったことだ。お金は取り戻せなかったものの、少なくとも損失を食い止めて、これ以上深みにはまらずに済んだ。

結局、技術自体に善悪はない。包丁は料理もできれば人を傷つけることもできる。AIは詐欺師のパッケージングを助けることもできれば、一般人が罠を避ける手助けにもなる。次に「絶対に儲かる投資話」に遭遇したら、まずChatGPTに聞いてみるのがいい。友達に相談するよりもよっぽど信頼できるはずだ。