12月8日早朝、貴金属市場は一気に急騰しました。現物ゴールドは4,200ドル/オンスを突破し、シルバーも58ドル台をしっかりキープ。この上昇は勢いも速さも抜群です。

背後には3つの原動力が同時に働いています。

まずは米連邦準備制度（FRB）です。12月11日の政策金利決定が迫る中、市場では25ベーシスポイントの利下げ確率が86%を超えています。利下げが実現すれば、利息を生まないゴールドの魅力が一気に高まり、保有コストが下がることで資金が一斉に流れ込むのは必然。さらに注目なのは、これが2026年の世界的な金融緩和サイクルの先駆けになる可能性がある点です。

続いて各国中央銀行の動き。中国人民銀行は13カ月連続で金準備を増やし、11月にはさらに0.93トン追加、合計で2,305トンに達しました。世界の中央銀行による第3四半期の金購入量は220トンと過去最高を記録。「脱ドル化」の流れがますます顕著になり、ゴールドの準備資産としての地位が高まっています。

シルバーはさらに顕著です。太陽光発電産業だけで55%の需要を占めており、新エネルギー車1台あたりの銀使用量は従来のガソリン車の7倍、AIサーバーによる銀消費も30%増加しています。産業需要が爆発的に伸びているため、需給ギャップが拡大し、価格も急騰しています。

3つのロジックが重なり合って共振しており、貴金属のこのブル相場はまだ終わっていません。今後は米連邦準備制度が予定通り利下げできるかが最大の注目ポイントです。