今週最も注目すべきイベントがやって来る——12月10日から11日にかけて、米連邦準備制度理事会（FRB）が今年最後のFOMC（公開市場委員会）を開催する。

端的に言えば、この会合が今後の暗号資産市場の資金量を直接左右する。

注目のタイミングは12月11日未明（日本時間）。金利決定が発表されれば、短期的な相場の方向性はほぼ決まる。

まず、高い確率で起こることから言うと——0.25%（25ベーシスポイント）の利下げはほぼ確実。フェデラルファンド金利は3.75%～4%のレンジになる可能性が高い。CMEのデータによると、12月7日時点で市場はこの展開に87%の確率を織り込んでいる。

しかし、本当に注目すべきは「利下げするかどうか」ではなく、その後どうするかだ。

現在、FRB内部では既に意見が割れており、タカ派はこれ以上利下げしたくないと考えている。したがって、今回の会合では「当面は利下げを見送る。今後はデータ次第で判断する」というシグナルが出される可能性が高い。この発言が出れば、市場の期待は一気に変化する。

もうひとつ技術的な動きが注目される——バランスシート（資産負債表）の操作だ。

短期金利市場を安定させるため、FRBは2026年1月から短期国債の買い入れ、すなわち資産の再拡大を発表するかもしれない。注意すべきは、これは量的緩和（QE）とは異なり、銀行システムに準備金を供給するのが目的であり、長期債市場への影響は限定的だという点だ。

とにかく、この2日間はしっかり注目しておこう。