テザー社の米国向けステーブルコイン、今年末にもローンチか：CEOのパオロ・アルドイノ氏 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• テザー（Tether）社は、ステーブルコイン規制のための法整備を条件として、今年末か来年初頭までに米国に特化したステーブルコインをローンチする予定だと、パオロ・アルドイノ（Paolo Ardoino ）CEOが語った。
• 新しいステーブルコインは、ペイパル（PayPal）のCashAppのような決済サービスと競合し、米国での機関投資家の利用に対応することを目指している。
• テザー社の米国での計画は、ステーブルコイン市場での競争が激化し、このセクターを規制するための連邦法整備が進む中で生まれた。

時価総額1480億ドル（約29兆円、1ドル＝194円換算）のステーブルコインUSDTを手がけるテザー社は、ステーブルコイン規制のための法律次第で、米国に焦点を当てたステーブルコインを今年末か2026年初頭にローンチする予定だ。

「現実的には、ステーブルコインに関する最終的な法律のタイミング次第だが、早ければ今年の終わりか来年の初めまでにはローンチしたいと考えている」と、、CEOのパオロ・アルドイノ氏は語った。

アルドイノ氏は、テザー社の主力商品であるUSDTトークンは、米ドルへのアクセスが制限されている新興市場のユーザー向けであり、新しい商品は異なるものになるとして、次のように述べた。

「米国では、ペイパルのCashAppの競合として利用できるような、機関投資家が利用できるような決済商品を作る必要がある。それが私たちが目指しているものだ」。

テザー社の米国をターゲットにしたステーブルコイン計画は、ドナルド・トランプ氏がホワイトハウスに復帰し、暗号資産企業に対する規制圧力が緩和されたことで、同社の米国での存在感が強まっていることを浮き彫りにしている。

アルドイノ氏は今年、米国をツアーし、ウォール街の投資銀行キャンター・フィッツジェラルド（Cantor Fitzgerald）のコンファレンスを含むイベントでインタビューやスピーチを行った。キャンターはテザー社が保有する1000億ドル以上の米国債を管理しており、前CEOのハワード・ルトニック（Howard Lutnick）氏は現在、トランプ政権の商務長官を務めている。

また、ステーブルコインを規制する米国連邦法整備の取り組みが進むにつれ、ステーブルコイン市場では競争が激化している。同市場には大きなチャンスが潜んでおり、シティ（Citi）は、この分野が10年後までに数兆ドル規模に成長すると予測している。

時価総額620億ドルのUSDコイン（USDC）を発行するライバルのサークル（Circle）社は先月、国境を越えた決済・送金ネットワークの構築計画を発表した。