実際の3D映像を記事では体験いただけないことがもどかしい。今、テクノロジー領域では生成AIが話題を集めているが、もうひとつ、数年後には当たり前のものになり、我々に新しい体験を届けてくれるテクノロジーとして期待されているものがある。「Spatial Computing(スペーシャル・コンピューティング=空間コンピューティング)」だ。そして、この分野をリードするグローバルDePINプロジェクト「Mawari」が、“Decentralized Infrastructure Offering(DIO)” の情報を公開。日本での展開を支援するAnimoca Brands Japanが先行申し込みをスタートさせる。> > Animoca Brands Japand:「Mawari」DIO・先行申し込みフォーム> > > ここでは、空間コンピューティングとDePIN(分散型物理インフラ)の概要、そして「Mawari」が秘める可能性をお伝えしよう。◇「空間コンピューティング」という言葉は、まだ一般的とは言えないが、テクノロジー関係者や最先端テックに敏感な人たちに知られるようになったのは、2023年6月、アップルが3Dヘッドセット「Vision Pro」を発表したことがきっかけだろう。「Vision Pro」を体験した人は、皆驚きの声をあげている。目の前に広がる3D空間は、まるでその場に自分がいるような圧倒的な没入感を生み出す。エンターテインメントのみならず、製造業、医療など、幅広い分野での利用が期待されている。最先端技術の塊でもある「Vision Pro」は、60万円近い価格から、まだ一般的とは言えない。またゴーグル型のハードウェアは、重さや装着の煩わしさが指摘されている。だがハードウェアの進歩は早く、サングラスのような眼鏡型の製品が登場し、人気を集めている。マーク・ザッカーバーグ氏率いるMeta(メタ)社がレイバンと組んで展開する「Ray-Ban Metaグラス」の出荷数は2024年までに100万台を超えたとされる。## ハードウェアと並ぶ課題:3Dコンテンツをどうやって届けるか新しいテクノロジーの普及にはハードウェアの小型化・低価格化が不可欠。空間コンピューティングはまだスタートしたばかりで、まさにそのプロセスが始まったばかりと言えるだろう。そしてもうひとつ、重要な課題がある。空間コンピューティングのための3Dコンテンツを世界中のユーザーにどうやって届けるか、だ。シンプルに考えるなら、データセンターに大量のコンピューターを並べ、インターネットを介して、ユーザーが装着している端末に送るという方法がわかりやすい。今、生成AIの盛り上がりとともに、世界中でデータセンターの建設計画が進んでいる。AIデータセンターはまさにそうした方法で、生成AIを世界中に広げようとしている。しかし一方で、大量の電力が必要となり、データセンターが建設されると、その都市の電力が失われる恐れがあるとリスクを指摘する声もある。また、そもそも生成AIのニーズにGPUの生産が追いつかないとの声もある。巨大な建物に、大量のGPUを集積し、大量の電力を使って運用する。一見、効率的に思えるが、さまざまなリスクも指摘されている、いわば “20世紀的” な方法に対して、これまでとは違った“21世紀”的な解決策はないだろうか──。Web3やブロックチェーンの考え方に親しんでいる方ならすぐに思い浮かぶだろう。**DePIN**だ。DePINは「**De**centralized **P**hysical **I**nfrastructure **N**etwork」の略で、日本語では「分散型物理インフラネットワーク」と訳される。世界中に分散して存在するハードウェアをブロックチェーンを使って有機的に運用し、かつその運用にトークンを使って、ハードウェア運用のインセンティブとすることで、グローバル規模のインフラの効率的・持続的な提供を可能にしようという考え方だ。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を生み出したブロックチェーンの理念を、実社会でのサービス提供に応用したものと言えるだろう。## Mawariがすでに実現していること前置きが長くなったが、空間コンピューティングの提供にDePINを活用し、マスアダプションを実現しようというプロジェクトが「Mawari」だ。すでに数多くの有力VCが注目し、これまでに1730万ドル(約26億円、1ドル150円換算)の資金を調達している。プロジェクトの経営陣は、Luis Oscar Ramirez Solorzano(創業者兼CEO)、Aleksandr Borisov(共同創業者兼CTO)、Frederick Speckeen(COO)で構成されアメリカに拠点を置いているが、日本にも谷田部丈夫(共同創業者兼Chief Futurist Officer)を代表とする事業開発チームが配置されている。コンセプト段階のプロジェクトではなく、クライアントにNetflix、BMW、T-Mobile、KDDIなどの大手企業を抱え、2025年度は500万ドル(約7.5億円)の収益を見込んでいる。このMawariがAnimoca Brands Japanとともに「Decentralized Infrastructure Offering(DIO)」のパブリックセールを開始する。Mawariが3Dコンテンツ配信インフラとして、すでに現段階で実現しているものは以下のようなものだ。◇**3D空間をナビゲートするデジタルヒューマン。AIを組み込み、AIエージェント的な機能をもたせることもできえる。********デジタルヒューマンはリアル空間の中に登場させることも可能だ。****Vtuberを3D化。ファンとの交流イベントでは、2分間5000円のチケットが売り切れ、「1対1で会えるのに、安すぎる。Vtuberに申し訳ない」という意見もあったという。**デジタルヒューマン/3Dアバターの登場シーンは、今後、上記のようなイベントやエンターテインメントに限らず、日常的な家庭のワンシーンにも広がっていく。例えば、人気キャラクターが家庭にやってきて会話をしたり、勉強を教えてくれたり、健康状態をチェックしてくれたりするようにもなるだろう。眼鏡型の端末を付けるだけ(いずれはコンタクトレンズ型にまで小さくなるだろう)で、眼の前にはリアル空間とコンピューターが生み出した世界が融合して広がる。コンピューターが生み出す空間は、かつては「仮想空間」「VR(バーチャルリアリティ)」などと呼ばれたが、空間コンピューティングが生み出す世界は、もはや「仮想」ではなく、もはや「新しい現実」だ。こうした「新しい現実」を多くの人に届けるために、端末は2030年には2024年時点の2.5倍の9000万台が普及し、さらに必要となるコンピューティングパワーは今後5年間で1000倍以上になると予測されている。こうした急激に膨らむコンピューティングパワーに対応するために、Mawariでは当初は、生成AIと同じようなデータセンターの活用を考えていた。専用のデータセンターではなく、いわゆるクラウドサービスと事業提携し、サービスの展開を図ったのだが、提供されるキャパシティが小さく、普及のハードルとなる状況となった。そこで別の解決策を模索したところ、DePINにたどり着いた。## DePINに行き着いた必然DePINはWeb3/ブロックチェーンのなかで、最新トレンドとして注目されている。それだけに「DePINありき」「DePINを名乗るためのプロジェクト」が資金調達を狙うような状況もないとは言えない。だがMawariは、空間コンピューティングを実現する「3Dコンテンツ配信インフラ」を目指すプロジェクトであり、DePINはその方法論に過ぎない。バズワードに飛びついたプロジェクトとは一線を画している。実際、MawariのメンバーはコンピューターグラフィックスやAR/拡張現実の分野で深い実績を持っている。さらにチームメンバーにはメタ、グーグル、ポケモンGOの開発で知られるナイアンティックなど最先端テック企業出身者に加え、デジタルカレンシーグループ(DCG)、グレイスケール(Grayscale)など、暗号資産大手の出身者も多い。MawariのDePINの仕組みをきわめて簡単に説明すると、3Dコンテンツ配信インフラは「Mawari Network」と呼ばれる。ネットワークの維持、サービス品質の管理などには、莫大なコンピューティングパワーが必要になるため、これを中央集権的なデータセンターで担うのではなく、世界中のPCユーザーが自身のPCに専用のアプリケーションをインストールして、Mawari Networkのノードとなる。つまり、コンピューティングパワーをネットワークに提供して、DePINを構成する一員となる。## ネットワーク拡充へ──**Decentralized Infrastructure Offering(DIO)**を予定Mawariは今、空間コンピューティングの本格的な普及を前に、DePINであるMawari Networkの拡充に乗り出そうとしている。具体的には、ノードの運用者を募集する予定だ。ノード運用者はコンピューティングパワーを提供する見返りとして、Mawariの独自トークンを受け取る。暗号資産ではトークン投資が一般的だが、プロジェクト/ネットワークのノード運用は、単なる投資ではなく、プロジェクト/ネットワークの運用に加わり、収益を得ることになる。投資というよりも、むしろ新しい時代のビジネスと言えるだろう。トークンを保有して値上がり益を待ったり、ステーキングして利回りを稼ぐだけでなく、最新かつ大きな成長が予想されるプロジェクトに参加できる機会でもある。DIOは6月上旬から募集が開始される予定。グローバルな有力VCに加わり、日本でMawariの成長を支援するAnimoca Brands Japan(アニモカブランズジャパン)では、DIOを前に、Mawariに関する情報提供および先行申し込みを開始している。以下より申し込みが可能だ。> > Animoca Brands Japand:「Mawari」DIO・先行申し込みフォーム> > > Animoca Brands Japanは、Animoca Brandsのグローバル450社の投資先ネットワークを活かして優良プロジェクトの日本展開を支援していく。SNSをフォローしておくと良さそうだ。なお、DIOのスタート時には、あらためてその詳細、およびMawariの共同創業者がMawariを立ち上げた経緯、DePINに対する考え方などをお伝えする予定だ。
トップVCが支援、3D配信の革新をリードするグローバルDePINプロジェクト「Mawari」が “Decentralized Infrastructure Offering(DIO)” の情報を公開 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
実際の3D映像を記事では体験いただけないことがもどかしい。今、テクノロジー領域では生成AIが話題を集めているが、もうひとつ、数年後には当たり前のものになり、我々に新しい体験を届けてくれるテクノロジーとして期待されているものがある。「Spatial Computing(スペーシャル・コンピューティング=空間コンピューティング)」だ。
そして、この分野をリードするグローバルDePINプロジェクト「Mawari」が、“Decentralized Infrastructure Offering(DIO)” の情報を公開。日本での展開を支援するAnimoca Brands Japanが先行申し込みをスタートさせる。
ここでは、空間コンピューティングとDePIN(分散型物理インフラ)の概要、そして「Mawari」が秘める可能性をお伝えしよう。
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「空間コンピューティング」という言葉は、まだ一般的とは言えないが、テクノロジー関係者や最先端テックに敏感な人たちに知られるようになったのは、2023年6月、アップルが3Dヘッドセット「Vision Pro」を発表したことがきっかけだろう。「Vision Pro」を体験した人は、皆驚きの声をあげている。目の前に広がる3D空間は、まるでその場に自分がいるような圧倒的な没入感を生み出す。エンターテインメントのみならず、製造業、医療など、幅広い分野での利用が期待されている。
最先端技術の塊でもある「Vision Pro」は、60万円近い価格から、まだ一般的とは言えない。またゴーグル型のハードウェアは、重さや装着の煩わしさが指摘されている。だがハードウェアの進歩は早く、サングラスのような眼鏡型の製品が登場し、人気を集めている。マーク・ザッカーバーグ氏率いるMeta(メタ)社がレイバンと組んで展開する「Ray-Ban Metaグラス」の出荷数は2024年までに100万台を超えたとされる。
ハードウェアと並ぶ課題:3Dコンテンツをどうやって届けるか
新しいテクノロジーの普及にはハードウェアの小型化・低価格化が不可欠。空間コンピューティングはまだスタートしたばかりで、まさにそのプロセスが始まったばかりと言えるだろう。そしてもうひとつ、重要な課題がある。空間コンピューティングのための3Dコンテンツを世界中のユーザーにどうやって届けるか、だ。
シンプルに考えるなら、データセンターに大量のコンピューターを並べ、インターネットを介して、ユーザーが装着している端末に送るという方法がわかりやすい。今、生成AIの盛り上がりとともに、世界中でデータセンターの建設計画が進んでいる。AIデータセンターはまさにそうした方法で、生成AIを世界中に広げようとしている。しかし一方で、大量の電力が必要となり、データセンターが建設されると、その都市の電力が失われる恐れがあるとリスクを指摘する声もある。また、そもそも生成AIのニーズにGPUの生産が追いつかないとの声もある。
DePINは「Decentralized Physical Infrastructure Network」の略で、日本語では「分散型物理インフラネットワーク」と訳される。世界中に分散して存在するハードウェアをブロックチェーンを使って有機的に運用し、かつその運用にトークンを使って、ハードウェア運用のインセンティブとすることで、グローバル規模のインフラの効率的・持続的な提供を可能にしようという考え方だ。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を生み出したブロックチェーンの理念を、実社会でのサービス提供に応用したものと言えるだろう。
Mawariがすでに実現していること
前置きが長くなったが、空間コンピューティングの提供にDePINを活用し、マスアダプションを実現しようというプロジェクトが「Mawari」だ。
すでに数多くの有力VCが注目し、これまでに1730万ドル(約26億円、1ドル150円換算)の資金を調達している。プロジェクトの経営陣は、Luis Oscar Ramirez Solorzano(創業者兼CEO)、Aleksandr Borisov(共同創業者兼CTO)、Frederick Speckeen(COO)で構成されアメリカに拠点を置いているが、日本にも谷田部丈夫(共同創業者兼Chief Futurist Officer)を代表とする事業開発チームが配置されている。コンセプト段階のプロジェクトではなく、クライアントにNetflix、BMW、T-Mobile、KDDIなどの大手企業を抱え、2025年度は500万ドル(約7.5億円)の収益を見込んでいる。
このMawariがAnimoca Brands Japanとともに「Decentralized Infrastructure Offering(DIO)」のパブリックセールを開始する。
Mawariが3Dコンテンツ配信インフラとして、すでに現段階で実現しているものは以下のようなものだ。
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3D空間をナビゲートするデジタルヒューマン。AIを組み込み、AIエージェント的な機能をもたせることもできえる。
デジタルヒューマンはリアル空間の中に登場させることも可能だ。
眼鏡型の端末を付けるだけ(いずれはコンタクトレンズ型にまで小さくなるだろう)で、眼の前にはリアル空間とコンピューターが生み出した世界が融合して広がる。コンピューターが生み出す空間は、かつては「仮想空間」「VR(バーチャルリアリティ)」などと呼ばれたが、空間コンピューティングが生み出す世界は、もはや「仮想」ではなく、もはや「新しい現実」だ。
こうした「新しい現実」を多くの人に届けるために、端末は2030年には2024年時点の2.5倍の9000万台が普及し、さらに必要となるコンピューティングパワーは今後5年間で1000倍以上になると予測されている。こうした急激に膨らむコンピューティングパワーに対応するために、Mawariでは当初は、生成AIと同じようなデータセンターの活用を考えていた。専用のデータセンターではなく、いわゆるクラウドサービスと事業提携し、サービスの展開を図ったのだが、提供されるキャパシティが小さく、普及のハードルとなる状況となった。そこで別の解決策を模索したところ、DePINにたどり着いた。
DePINに行き着いた必然
DePINはWeb3/ブロックチェーンのなかで、最新トレンドとして注目されている。それだけに「DePINありき」「DePINを名乗るためのプロジェクト」が資金調達を狙うような状況もないとは言えない。だがMawariは、空間コンピューティングを実現する「3Dコンテンツ配信インフラ」を目指すプロジェクトであり、DePINはその方法論に過ぎない。バズワードに飛びついたプロジェクトとは一線を画している。
実際、MawariのメンバーはコンピューターグラフィックスやAR/拡張現実の分野で深い実績を持っている。さらにチームメンバーにはメタ、グーグル、ポケモンGOの開発で知られるナイアンティックなど最先端テック企業出身者に加え、デジタルカレンシーグループ(DCG)、グレイスケール(Grayscale)など、暗号資産大手の出身者も多い。
MawariのDePINの仕組みをきわめて簡単に説明すると、3Dコンテンツ配信インフラは「Mawari Network」と呼ばれる。ネットワークの維持、サービス品質の管理などには、莫大なコンピューティングパワーが必要になるため、これを中央集権的なデータセンターで担うのではなく、世界中のPCユーザーが自身のPCに専用のアプリケーションをインストールして、Mawari Networkのノードとなる。つまり、コンピューティングパワーをネットワークに提供して、DePINを構成する一員となる。
Mawariは今、空間コンピューティングの本格的な普及を前に、DePINであるMawari Networkの拡充に乗り出そうとしている。具体的には、ノードの運用者を募集する予定だ。ノード運用者はコンピューティングパワーを提供する見返りとして、Mawariの独自トークンを受け取る。
暗号資産ではトークン投資が一般的だが、プロジェクト/ネットワークのノード運用は、単なる投資ではなく、プロジェクト/ネットワークの運用に加わり、収益を得ることになる。投資というよりも、むしろ新しい時代のビジネスと言えるだろう。トークンを保有して値上がり益を待ったり、ステーキングして利回りを稼ぐだけでなく、最新かつ大きな成長が予想されるプロジェクトに参加できる機会でもある。
DIOは6月上旬から募集が開始される予定。グローバルな有力VCに加わり、日本でMawariの成長を支援するAnimoca Brands Japan(アニモカブランズジャパン)では、DIOを前に、Mawariに関する情報提供および先行申し込みを開始している。以下より申し込みが可能だ。
Animoca Brands Japanは、Animoca Brandsのグローバル450社の投資先ネットワークを活かして優良プロジェクトの日本展開を支援していく。SNSをフォローしておくと良さそうだ。
なお、DIOのスタート時には、あらためてその詳細、およびMawariの共同創業者がMawariを立ち上げた経緯、DePINに対する考え方などをお伝えする予定だ。