CAMS(Computer Age Management Services)は、インドを代表するフィンテックサービスプロバイダーです。ミューチュアルファンド業界に特化したレジストラ業務およびトランスファーエージェント業務を中心に展開しています。インド国内の投資家の行動が変化する中、ミューチュアルファンド市場は急拡大し、その恩恵をCAMSが大きく受けています。同社は、安定したビジネスモデルと圧倒的な市場シェアを持ち、株式市場でも常に高い関心を集めています。
2025年9月中旬時点で、CAMSの株価は約INR 3,850で推移しています。過去52週間の最高値はINR 5,367、最安値はINR 3,031となりました。株価はピークから約28%下落しましたが、最安値からは約27%上昇しています。
現在の株価収益率(PER)は40倍超、株価純資産倍率(PBR)は約17倍です。これらのバリュエーションは高水準ですが、同社は自己資本利益率(ROE)40%超を維持しており、非常に高い収益力を誇ります。配当利回りは約1.6%で、投資家に一定の配当収入をもたらしています。
市場コンセンサスとして、CAMSの株価には今後も上昇余地があると見られています。多くのアナリストは、1年後の目標株価をINR 4,200~INR 5,000のレンジで設定しています。特に強気な予想ではINR 5,500を上回るとの見立てもある一方、慎重な見方のアナリストは、利益成長の鈍化次第では株価が横ばいまたはINR 3,300まで下落する可能性を指摘しています。
ポジティブな要因としては、インドのミューチュアルファンド市場の急速な拡大、CAMSの安定した市場優位性、高いリターンが挙げられます。投資需要の拡大に応じて、CAMSのサービス需要も増加しています。
一方で、割高なバリュエーションによるリスクも考えられます。利益成長が期待を下回れば、株価は調整局面を迎える可能性があります。さらに、金融規制強化や業界内での競争激化も、株価下押し要因となるでしょう。
新規投資家は、一度に全額を投資するのではなく、段階的に投資することが賢明です。現在の取引レンジには一定の魅力があるものの、INR 3,800を下回った際には損切りラインを設定することが重要です。長期的にインドのミューチュアルファンド市場の成長性を信じる場合、CAMSは安定したリターンを期待できる企業です。一方、短期間での大きな利益を狙う投資家には、他の選択肢を検討することもおすすめします。